過回内試験:検査方法の詳細

はじめに

過回内試験のやり方について詳しく解説します。

過回内試験とは

過回内試験は協調運動障害(失調症)の検査です。

両上肢水平挙上位で手掌を上向きにさせ,次に検者の合図で両手掌を下向きにしてもらいます。
患側で過度の回内,内旋が生じれば陽性です(図 1)。

過回内試験:右上肢に過剰な回内・内旋がある
図 1: 過回内試験 右上肢に過度な回内・内旋がある

手回内試験2)とも呼びますが,錐体路徴候の検査と同じ名前になってしまいます。

検査方法の詳細

通常は座位で行います。
背もたれなしにすると難易度は上がります。
背臥位や立位でも行えます。
不安定な姿勢では,症状が出やすくなりますし,安定していれば症状は出にくくなります。

閉眼で行うのが一般的です。
開眼と閉眼で比較すれば,視覚代償を評価することができます。
閉眼で行う場合は,転倒に注意します。

できるだけ速く動かしてもらいます。

肘は伸展位のままです。

手を下に向けるの 1 回だけです。
反復はしません。

観察のポイント

測定過大を主に観察します。

運動の停止が遅れることにより,過度の回内・内旋が生じます。

運動開始の遅れも観察すれば,時間測定障害を見つけることができます。

正常でもたまに過度の回内・内旋が生じてしまうことがあります。
検査を繰り返しても同じように異常が生じるのかを確認します。

検査動作は簡単ですので,他の検査と比べると異常が出にくい検査です。

おわりに

判定の仕方や理学療法士ならではの考え方については,鼻指鼻試験についての記事で書いています。

参考文献

1)田崎義昭, 斎藤佳雄: ベッドサイドの神経の診かた改訂17版. 南山堂, 2014, pp143-158.
2)岩田誠: 神経症候学を学ぶ人のために. 医学書院, 2004, pp199.
3)内山靖: 協調運動障害, 理学療法ハンドブック改訂第4版第1巻. 細田多穂, 柳澤健(編), 協同医書出版社, 2010, pp605-635.
4)鈴木俊明(監修): 臨床理学療法評価法-臨床で即役に立つ理学療法評価法のすべて. エンタプライズ, 2005, pp252-263.

関連記事

四肢の小脳性運動失調(協調運動障害)の要素
協調運動障害における運動課題の難易度を決める要素
鼻指鼻試験の詳細(理学療法士が行う場合)
指鼻試験:方法,鼻指鼻試験との違い
膝打ち試験とは
足趾手指試験:検査方法の詳細
踵膝試験:検査方法の詳細
向こう脛叩打試験:検査方法の詳細
手回内回外試験:検査方法の詳細
スチュアート・ホームズ反跳現象の詳細

2021年4月1日

コメント

タイトルとURLをコピーしました