神経学的検査

病的反射についての簡単な解説です

投稿日:2018年12月13日 更新日:

この記事では病的反射の概要を解説します。
各反射を勉強する前に理解しておきたい内容です。

病的反射とは,その反射が出れば神経系の異常がある可能性が高いという反射です。
病的反射に含まれるものとして,出にくい腱反射が出ること,新生児にみられる原始反射が成人で出ることなどがあります。

出にくい腱反射が出れば,腱反射は亢進していると判断します(腱反射の判定については別の記事で書いています)。
腱反射の亢進は錐体路障害の徴候です。
ただし,あくまでも出にくい腱反射であり,神経系の異常があってはじめて出るというものではありません。
神経系の異常がなくても出ることはあります。
口尖らし反射,ホフマン反射,トレムナー反射,ワルテンベルク反射,ロッソリーモ反射,メンデル・ベヒテレフ反射などの病的反射は,出にくい腱反射です。

原始反射である病的反射として,吸引反射,把握反射,バビンスキー反射などがあります。
原始反射は,新生児では正常な反射で,成長に伴って抑制されて出なくなります。
抑制されるのであり,原始反射の反射弓は残っています。
成人で原始反射が出るということは,抑制する部位に障害があるということを意味します。
健常成人で原始反射が出ることはまずないのですが,高齢者では神経系の異常がなくても出ることがあります。

原始反射を抑制する部位については,神経内科学の教科書には詳しく書かれていません。
原始反射が出れば,前頭葉の障害や両側大脳のび慢性な障害を考える2)というような大まかな判断になります。
バビンスキー反射は錐体路徴候です。

病的反射の定義は教科書によってばらつきがあり,統一されていないようです。
今後も勉強を続けて,この記事も修正していく予定です。

参考文献
1)平山惠造: 神経症候学. 文光堂, 1979, pp495-562.
2)田崎義昭, 斎藤佳雄: ベッドサイドの神経の診かた改訂17版. 南山堂, 2014, pp67-93.

2018年12月13日

-神経学的検査
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

上田の 12 段階片麻痺機能テストの実際(3)サブテスト – 上肢

はじめに 上田の 12 段階片麻痺機能テストに関するシリーズの 3 番目です。最初から順番に読むことをお勧めします。 上田の 12 段階片麻痺機能テストの実際(1)実施手順など上田の 12 段階片麻痺 …

点をつなぎ感覚鈍麻の領域は帯状に広がっていると考える

触覚検査 – 検査方法の詳細

はじめに 触覚検査の方法について解説します。 理学療法士にとってはおなじみの検査で,行う機会も多い検査です。でも,教科書ではその検査方法についてあっさりとしか書かれていないことが多く,それぞれの操作の …

no image

振動覚の検査-検査器具,検査方法,判定基準など

この記事では,振動覚の検査器具,検査方法,判定基準などについて詳しく解説します。 振動覚とは 振動覚とは,振動を感じる感覚で,深部感覚の一つです。しかし,平山1)は「かつて振動覚は骨を介する深部感覚の …

no image

痛みの定義 国際疼痛学会(IASP)によるものを解説

痛み(疼痛)の定義としては,国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain ; IASP)の定義が有名ですが,分かりにくい定義だとは思いま …

no image

四肢の小脳性運動失調(協調運動障害)の要素

「ベッドサイドの神経の診かた1)」では四肢の小脳性運動失調の要素として,以下の6つをあげています。 測定異常 dysmetria反復拮抗運動不能(症) dysdiadochokinesis運動分解 d …