舌下神経の走行と働き

はじめに

舌下神経(第 XII 脳神経 hypoglossal nerve)の働きや走行について解説します。
適度に詳しくなるよう心がけました。

目次

舌下神経の概要

舌下神経は運動神経のみで構成される神経で,舌筋に分布します。

舌下神経の起始(起始核)

舌下神経の起始核は舌下神経核です。
延髄の背側正中にあります。

舌下神経核(横断面)
図 1: 舌下神経核(横断面)
舌下神経核(前額面)
図 2: 舌下神経核(前額面)

舌下神経の走行

舌下神経核からの線維は交叉せずに延髄から出ていきます。
延髄の前外側溝(錐体とオリーブの間)から,10 〜 15 の線維束として出ます。
それらが 2 本の束になり,さらに合流して 1 本の神経幹となります。

舌下神経管を通って頭蓋を出ます。

頭蓋を出たところで,交感神経の上頸神経節,迷走神経の下神経節,第 1・2 頸神経との交通があります。

下行し,舌根部で多数の終枝(舌筋枝)に分かれ,各舌筋に向かいます。

舌下神経支配の筋

  • オトガイ舌筋
  • 舌骨舌筋
  • 茎突舌筋
  • 小角舌筋
  • 上縦舌筋
  • 下縦舌筋
  • 横舌筋
  • 垂直舌筋

舌筋のなかでは,口蓋舌筋だけが迷走神経支配です。

オトガイ舌骨筋には舌下神経からの枝が行きますが,その枝は第 1・2 頸神経からの線維でできています。

大脳皮質による支配は,オトガイ舌筋のみが対側支配で,他の筋は両側支配です。

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参考文献

1)金子丑之助: 日本人体解剖学上巻(改訂19版). 南山堂, 2002, pp555-556.
2)金子丑之助: 日本人体解剖学下巻(改訂19版). 南山堂, 2008.
3)越智淳三(訳): 解剖学アトラス(第3版). 文光堂, 2001, 443.
4)秋田恵一(訳): グレイ解剖学(原著第4版). エルゼビア・ジャパン, 2019, 677-920.
5)岡田泰伸(監修): ギャノング生理学 原著25版. 丸善出版, 2017.
6)本間研一(監修): 標準生理学 第9版. 医学書院, 2019.
7)津山直一, 中村耕三(訳): 新・徒手筋力検査法(原著第9版). 協同医書出版社, 2015.
8)佐藤秀樹: 舌下神経. 診断と治療. 2018; 106: 129-133.

2021年6月8日

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