滑車神経の走行と働き

はじめに

滑車神経(第 IV 脳神経 trochlear nerve)の働きや走行について解説します。
適度に詳しくなるよう心がけました。

滑車神経の概要

純運動性神経で,上斜筋のみを支配します。

滑車神経の起始(起始核)

滑車神経の起始核は中脳にあります。

中脳水道の腹側で,下丘の高さ,動眼神経核のすぐ下です(図 1)。

滑車神経起始核の概念図(脳幹の正中断面を内側から見たところ)
図 1: 滑車神経起始核の概念図(脳幹の正中断面を内側から見たところ),文献 3 より

滑車神経の走行

滑車神経核からの線維は中心灰白層の外側をめぐって背側に向かいます。
中脳水道の背側で交叉し,背側から脳幹を出ます。
大脳脚の周りを通って腹側に達し,海綿静脈洞の中を走行します。
上眼窩裂を通って眼窩内に入り,上斜筋に分布します。

おわりに

脳神経で背側から脳幹を出るのは滑車神経だけです。
また,脳神経のなかでは最も細い神経です。
特徴的な神経ですので覚えやすいのかもしれません。

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参考文献

1)金子丑之助: 日本人体解剖学上巻(改訂19版). 南山堂, 2002, pp523.
2)金子丑之助: 日本人体解剖学下巻(改訂19版). 南山堂, 2008.
3)越智淳三(訳): 解剖学アトラス(第3版). 文光堂, 2001, 437-461.
4)馬場元毅: 絵でみる脳と神経 しくみと障害のメカニズム 第3版. 医学書院, 2012, pp165.
5)秋田恵一(訳): グレイ解剖学(原著第4版). エルゼビア・ジャパン, 2019, 677-920.
6)藤原俊郎: 第IV脳神経:滑車神経. BRAIN NURSING. 2018; 34: 18-19.

2021年6月17日

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