運動学

歩行周期の要点〜遊脚中期(ミッドスイング)

投稿日:2020年10月28日 更新日:

はじめに

歩行周期における遊脚中期(ミッドスイング,mid swing,MSw)の定義,働き,関節の角度,筋の活動などについて,大事なところをまとめます。

歩行周期(ランチョ・ロス・アミーゴ方式)の全体についてはこちらの記事をご覧ください。

定義

始まり(75% GC):両側の足関節が矢状面で交差した瞬間
終わり(87% GC):観察肢の下腿が床に対して直角になった瞬間

GC は gait cycle(歩行周期)の略

主な機能

主な機能は

  • 下肢を前に運ぶ
  • トウクリアランス

です。

肢位と運動範囲

概要

距腿関節が背屈位になり,遊脚肢の前進は継続します。

距腿関節

底屈 2.4°(75% GC)→ 背屈 2.3°(83% GC)→ 背屈 1.7°(87% GC)

トウクリアランスのため,背屈位となります。
そして,次の遊脚終期に向けて底屈に転じます。

距骨下関節

中間位です。

中足趾節関節

軽度背屈位が維持されます。

膝関節

屈曲 56.0°(75% GC)→ 屈曲 19.7°(87% GC)

歩幅を確保するためには膝関節は伸展します。

大腿

股関節ではなく大腿の角度(静止立位を基準とした大腿の位置)です。

屈曲 16.9°(75% GC)→ 屈曲 23.9°(85% GC)→ 屈曲 23.6°(87% GC)

屈曲していき,最後は伸展に転じます。

骨盤

水平面で前方回旋し,中間位(0°)を通ります。

筋の働き

遊脚肢の筋活動は最小になります。

距腿関節

遊脚初期では距腿関節を急速に背屈する必要がありましたが,遊脚中期では,距腿関節の動きは少なく,背屈位を保持しているようなものです。
そのため,背屈筋群の活動強度は低くなります。

膝関節

膝関節の伸展は受動的です。
遊脚初期から続いている下肢が前進する勢いによる力や,下腿が重力によって落下する力がかかって伸展します。

大腿二頭筋短頭は膝関節伸展のスピードを制御します。

股関節

遊脚初期から続いている屈曲の勢いによって受動的に屈曲します。
屈筋としては薄筋が活動します。

半膜様筋と大腿二頭筋長頭が,遊脚終期における膝関節伸展を制御する準備として,遊脚中期の終わりに活動を始めます。
半膜様筋は 81% GC,大腿二頭筋長頭は 82% GC に活動を始めます。

おわりに

遊脚初期の運動の勢いが残っていて,筋の活動が小さくなる相です。
身体全体としては,勢いを止めないことが重要です。

参考文献

1)月城慶一, 山本澄子, 他(訳): 観察による歩行分析. 医学書院, 2006.
2)武田功(統括監訳): ペリー 歩行分析 原著第2版 -正常歩行と異常歩行- .医歯薬出版, 2017.

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2020年10月28日

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