下腿三頭筋の距骨下関節への作用

はじめに

下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)の作用は,距腿関節での底屈が注目されがちですが,距骨下関節での外がえし,内がえしの作用があります1,2)

その距骨下関節の作用を解剖学的に確認していきます。

停止部の解剖

腓腹筋内側頭,外側頭,ヒラメ筋の停止腱の線維束は互いにねじれながら癒合し,アキレス腱となって踵骨隆起につきます。

一本のアキレス腱になっていますが,それぞれの線維束は解剖すれば分離することができます。
つまり,腓腹筋内側頭,外側頭,ヒラメ筋それぞれの停止部があるということであり,それを調べた研究3,4)があります。

停止部の広がり方には個人差があります。
そして,研究では線維束のねじれ方の違いで3つに分類しています。

文献3より図を一部改変して引用します。
左のアキレス腱で,踵骨隆起より 1 cm 上での横断面です。
MG は腓腹筋内側頭,LG は腓腹筋外側頭,Sol はヒラメ筋です。

アキレス腱の捻れ構造:前側にヒラメ筋のみが付着
図1:前側にヒラメ筋のみが付着
アキレス腱の捻れ構造:前側に外側頭とヒラメ筋が付着
図2_1:前側に外側頭とヒラメ筋が付着
アキレス腱の捻れ構造:前側に外側頭とヒラメ筋が付着,外側頭がより広い
図2_2:前側に外側頭とヒラメ筋が付着,外側頭がより広い
アキレス腱の捻れ構造:前側に外側頭筋のみが付着
図3:前側に外側頭筋のみが付着

大まかにはヒラメ筋が内側,腓腹筋が外側についていることがわかります。

距骨下関節への作用

内側につくヒラメ筋は内がえしの作用があり,外側につく腓腹筋は外がえしの作用があります。

ただし,これは解剖学的な位置関係から理論的に導きだした作用です。
停止の仕方に個人差があり,理論通りにはならないかもしれません。
また,生体において実際にその作用があることを確認できているのかどうかは不明です。

おわりに

理学療法士であれば,主な作用だけでなく,その他の作用もしっかり覚えておく必要があります。

足部の運動を表す用語は統一されていませんが,この記事の内容においては,大まかに踵骨がどちらに向くかが分かればいいので,うやむやなまま書いています。

足部の運動を表す用語について別の記事でまとめています。

参考文献

1)武田功(統括監訳): ペリー 歩行分析 原著第2版 -正常歩行と異常歩行- .医歯薬出版, 2017, pp39.
2)津山直一, 中村耕三(訳): 新・徒手筋力検査法(原著第9版). 協同医書出版社, 2015, pp480-481.
3)Edama M, Kubo M, et al.: The twisted structure of the human Achilles tendon. Scand J Med Sci Sports. 2015; 25: e497-e503. doi:10.1111/sms.12342
4)江玉睦明: アキレス腱障害発生メカニズムの解剖学的検証. 日本基礎理学療法学雑誌. 2017; 20: 16-21.

2020年11月4日

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