サイズの原理とは

はじめに

サイズの原理とは何かについて説明します。
また,筋力増強運動との関係についても簡単に説明します。

運動単位とその大きさ

サイズの原理を理解するために必要な基礎知識の確認です。

運動単位とは

一つの運動ニューロンとそれが支配する筋線維群とをあわせて運動単位 motor unit と呼びます。

神経支配比と運動単位の大きさ

一つの運動ニューロンが支配する筋線維の数を神経支配比といいます。
神経支配比は運動ニューロンごとに大きく異なります(5 〜 2000)。

神経支配比が小さい運動単位は,小さい運動単位と呼ばれます。
小さい運動単位では,筋線維数が少ないだけでなく,運動ニューロンの細胞体が小さく,軸索の直径も細くなります。

逆に,神経支配比が大きい運動単位は,大きい運動単位と呼ばれます。
大きい運動単位では,筋線維数が多いだけでなく,運動ニューロンの細胞体が大きく,軸索の直径も太くなります。

サイズの原理とは1)

サイズの原理 size principle は,運動単位が動員される順序に関する原理です。
筋が収縮するときには,小さな運動単位が先に動員され,より強い力が要求されるとより大きな運動単位が動員されるというものです。

サイズの原理は,より小さい細胞は,動員閾値もより低いということと関係しています。

筋線維の型とサイズの原理

運動単位は,その運動ニューロンが支配している筋線維の型によって以下の 3 つに分けられます。

  • S型(slow): I 型(遅筋-酸化型 SO)の筋線維
  • FR型(fast, resistant to fatigue): II A 型(速筋-酸化型-解糖型 FOG)の筋線維
  • FF型(fast, fatigable): II B 型(速筋-解糖型 FG)の筋線維

筋線維の型と運動単位に含まれる筋線維数(運動単位の大きさ)には相関があります。
つまり,S型 < FR型 < FF型の順番で大きくなります。
サイズの原理より,S型の運動単位が先に収縮し,次にFR型,FF型の順番で収縮することになります。

筋力増強運動との関係

サイズの原理を筋力増強運動にあてはめるとどうなるでしょう。

低強度(重りが軽い場合など)の運動では,小さな運動単位だけが収縮することになり,筋全体の筋力増強が得られないということになります。
しかし,実際には大きな運動単位も収縮するようです2)

一つの理論だけで考えることは危険ですね。

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参考文献

1)岡田泰伸(監修): ギャノング生理学(原著25版). 丸善出版, 2017, pp129-130.
2)Fisher J, Steele J, et al.: High- and Low-Load Resistance Training: Interpretation and Practical Application of Current Research Findings. Sports Med. 2017; 47: 393-400.
3)本間研一(監修): 標準生理学 第9版. 医学書院, 2019, pp330-333.
4)P. D. Andrew, 有馬慶美, 他(監訳):筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版. 医歯薬出版, 2020, pp69-74.

2021年9月8日
2020年1月29日

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