第53回理学療法士国家試験の午後の問題25について考えてみました。
まずは問題を引用します1)。
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。
- 肩屈曲 – 前腕回外位
- 股内旋 – 膝関節伸展位
- 股外転 – 股関節伸展位
- 膝屈曲 – 股関節伸展位
- 足底屈 – 膝関節仲展位
正解は3ということになっていますが,間違っていないでしょうか?
股外転の測定肢位は背臥位ですので,股関節を伸展位にすることはできません。
股外転の測定肢位は,股関節屈伸については中間位です。
他の選択肢は全て明らかに間違っていますので,この問題は解なしの不適切問題になります。
ただし,背臥位で股関節と膝関節を屈曲位にした姿勢に対して,股関節と膝関節を伸展していって中間位となった姿勢を,下肢伸展位と呼ぶ場合があります。
そう呼ぶことを正しいとするなら,選択肢 3 は正解です。
矛盾のない正しい表現を目指すべきだと私は思います。
参考文献
1)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-08_09.html(2020年2月4日引用)
2)米本恭三, 石神重信, 他: 関節可動域表示ならびに測定法. リハビリテーション医学. 1995; 32: 207-217.
2020年9月26日
2020年2月4日
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