徒手筋力検査法(MMT)では,検査を行いながら代償動作が起こっていないかを観察する必要があります。
これがなかなか難しく,実習生などは代償動作に気づかないことがほとんどです。
臨床経験を積めば,だんだんとできるようになるのですが,学校にいる間にも練習することができます。
その方法を紹介したいと思います。
「代償動作が出るように MMT を行う」という練習です。
あえて代償動作が出るような間違った方法でMMTを行います。
患者役をしているのは健常人で MMT のことを知っていますから,代償動作が出ないよう動いてくれます。
それでも代償動作が出てしまうよう工夫します。
この練習の狙いは代償動作を見る習慣をつけることです。
教科書通りに正しく MMT を行うと,教科書通りのきれいな動きとなり,段階 5 と判定して終わりです。
それに対して,代償動作を出そうとしていたら,代償動作は出ているかなと意識して観察するようになり,代償動作を見る習慣がつきます。
また,代償動作を出すことは可能かどうかを考えることが,運動学的な分析の練習にもなります。
ぜひお試しください。
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参考文献
1)津山直一, 中村耕三(訳): 新・徒手筋力検査法(原著第9版). 協同医書出版社, 2015.
2020年5月16日
2019年4月26日
2019年4月15日