トレイリング姿勢とは

はじめに

トレイリング姿勢(trailing position)について簡単に説明します。

トレイリングポジションともいいます。
トレイリングリム(trailing limb)もほぼ同じ意味です。

トレイリング姿勢の定義

身体重心が前足部の支持面の直上から大きく離れて前にある状態1)です(図 1)。

トレイリング姿勢
図 1: トレイリング姿勢

解説

歩行分析で使われる言葉です。

立脚終期(ターミナルスタンス)において,股関節が過伸展になっている状態を指します。

足が後ろに残って,股関節が前に出ている状態ともいえます。

重心点が支持基底面の外に出ています。
止まった状態であれば転倒します。
歩行では,このような身体が落下するエネルギーを前進するエネルギーに変換することで前に進んでいます。

股関節の具体的な角度2)をあげておきます。
立脚終期が始まる歩行周期の 31% の時点で,大腿部の垂直線に対する角度は,伸展 – 6.1° です。
立脚終期が終わる歩行周期の 50% の時点では,大腿部の角度は – 19.2° となり,最も過伸展した肢位になります(詳しくはこちら)。

おわりに

ちなみに,「trail」という英単語には,「たなびく」という意味があります。
足が後ろにたなびいているという感じなのかもしれません。

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参考文献

1)月城慶一, 山本澄子, 他(訳): 観察による歩行分析. 医学書院, 2006, pp177.
2)武田功(統括監訳): ペリー 歩行分析 原著第2版 -正常歩行と異常歩行- .医歯薬出版, 2017, pp365-367.

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2020 年 10 月 15 日

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