小ネタ集

VASのどこがアナログなのか?

投稿日:2019年4月12日 更新日:

痛みの強さの評価法として有名なVAS(Visual Analogue Scale 視覚的アナログ目盛り法)ですが,どの辺がアナログなのかはご存知でしょうか?
もし仮にVisual Digital Scaleというものがあるのなら,それはどんな評価法になるでしょう?

デジタルとアナログという用語を端的に説明すると,デジタルは離散量,アナログは連続量です。
デジタルでは例えば1,2,3というような飛び飛びの数字を扱います。
1と2の間の数字は扱いません。
それに対してアナログでは1,2,3という数字だけでなく1.2や1.19など,どんな数字でも扱います。
デジタルのdigitは指です。
指で1本,2本と数えるのがデジタルで,指1.2本というのがあるのならそれはアナログです。
小数が出てきたらアナログというわけではありませんよ。
1.1,1.2,1.3となり,1.15などの間の数字がないのであればデジタルです。

さて,VASは100mmの線で,左端を「痛みなし」,右端を「これ以上の強い痛みはない」として,痛みの強度を左端からの距離で表すものです。
被験者は線のどこにでも印をつけることができます。
ですので,評価の結果は10mmだったり17mmだったりと,0から100の間の全ての数字になりえます。
よってVASはアナログということになります。

もし線の上に0から10までの数字が書いてあり,その数字のあるところしか選べないのなら,それはデジタルになります。
Visual Digital Scaleというものがあるのなら,こういう評価になります。

ちなみに,VASでは左端からの距離をmm単位で測定します1)
通常の物差しではmmよりも細かく測ることは難しいからです。
ということは,10.2mmなどという結果はないということです。
すると,アナログではなくデジタルということになります。
線の上に印をつけたものはアナログデータですが,それを測定して10mmなどといったとたんにデジタルデータになってしまいます。

デジタル,アナログという言葉の定義を正確に知らなくても理学療法は実施できますが,理系寄りの本を正確に理解するためには必要な知識だと思います。

参考文献
1)堤文生: Visual Analogue Scale(VAS)視覚的アナログ目盛り法, 臨床評価指標入門 適用と解釈のポイント. 内山靖, 小林武, 他(編), 協同医書出版社, 東京, 2013, pp75-80.

2019年4月12日

-小ネタ集

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

関連記事はありませんでした