腰椎に付着する筋

はじめに

腰椎に付着する筋についてまとめます。
一覧を示し,さらに部位別に分類します。

腰椎に付着する筋の一覧

  1. 広背筋:第 1 〜 第 5 腰椎の棘突起
  2. 下後鋸筋:第 1 〜 第 2(第 33,4))腰椎の棘突起(胸腰筋膜浅葉を介して)
  3. 腰腸肋筋:棘突起(起始),肋骨突起(停止)
  4. 胸最長筋:棘突起,肋骨突起,副突起
  5. 胸棘筋:第 1 〜 第 2(第 33))腰椎の棘突起
  6. 多裂筋:全腰椎の乳頭突起(起始),全腰椎の棘突起(停止)
  7. 回旋筋:全腰椎の乳頭突起(起始),棘突起(停止)
  8. 棘間筋:全腰椎の棘突起
  9. 腰外側横突間筋:全腰椎の肋骨突起
  10. 腰内側横突間筋:全腰椎の副突起あるいは乳頭突起
  11. 横隔膜:第 1 〜 第 4 腰椎椎体(腰椎部右内側脚),第 1 〜 第 3 腰椎椎体(腰椎部左内側脚),第 1(2)腰椎椎体(外側脚,内側弓状靱帯を介して),第 1(2)腰椎肋骨突起(外側脚,外側弓状靭帯を介して)
  12. 腰方形筋:前部:第 2(3) 〜 5 腰椎の肋骨突起(前部の起始),第 1 〜(3) 4 腰椎の肋骨突起(後部の停止)
  13. 大腰筋:第 1 〜 第 4 腰椎の椎体および肋骨突起(浅頭),深頭:全腰椎の肋骨突起(深頭)
  14. 小腰筋:第 1 腰椎の椎体外側面

広背筋が腰椎に付着するとの記載がない文献3)があります。

腰腸肋筋が棘突起から始まるとしている文献は 2 つで,下位腰椎の棘突起1),あるいは,全腰椎の棘突起4)となっています。
また,腰腸肋筋が腰椎に停止するとしている文献があり,上位腰椎の肋骨突起3)となっているものと,全腰椎の横突起6)となっているものがあります。

胸最長筋の付着部位は文献によってかなり異なります。
複雑になるため,詳細は省きます。
棘突起から始まることはだいたい共通していますが,どの腰椎の棘突起なのかは異なります。
また,肋骨突起や副突起を起始だとする文献6)と停止だとする文献1-3,5)があります。

頭最長筋の付着部について,文献 1)のみが上位腰椎の棘突起としているのですが,上記のリストには入れていません。

多裂筋の起始として,文献 1)のみが副突起をあげています。

回旋筋の起始は,文献 4)のみが乳頭突起ではなく肋骨突起としています。
第 5 腰椎の棘突起に回旋筋が停止する,つまり,仙骨に起始がある回旋筋が存在するとは書かれていないのですが,文献 1)の図には第 5 腰椎と仙骨の間らしいところに回旋筋が描かれています。

内腹斜筋と腹横筋の起始である胸腰筋膜の深葉は腰椎の肋骨突起に付着しています。
ということは,内腹斜筋と腹横筋は腰椎肋骨突起に付着していると解釈することが可能です。
しかし,解剖学のテキストではそのような記述はありません。

付着部位での分類

腰椎の棘突起に付着する筋

  • 広背筋
  • 下後鋸筋
  • 腰腸肋筋
  • 胸最長筋
  • 胸棘筋
  • 多裂筋
  • 回旋筋
  • 棘間筋

腰椎の肋骨突起に付着する筋

  • 腰腸肋筋
  • 胸最長筋
  • 腰外側横突間筋
  • 横隔膜
  • 腰方形筋
  • 大腰筋

腰椎の乳頭突起に付着する筋

  • 多裂筋
  • 回旋筋
  • 腰内側横突間筋

腰椎の副突起に付着する筋

  • 胸最長筋
  • 腰内側横突間筋

腰椎の椎体に付着する筋

  • 横隔膜
  • 大腰筋
  • 小腰筋

参考文献

1)金子丑之助: 日本人体解剖学上巻(改訂19版). 南山堂, 2002.
2)河上敬介, 磯貝香(編): 骨格筋の形と触察法(改訂第2版). 大峰閣, 2013.
3)越智淳三(訳): 解剖学アトラス(第3版). 文光堂, 2001.
4)秋田恵一(訳): グレイ解剖学(原著第4版). エルゼビア・ジャパン, 2019.
5)中村隆一, 斎藤宏, 他:基礎運動学(第6版補訂). 医歯薬出版株式会社, 2013.
6)津山直一, 中村耕三(訳): 新・徒手筋力検査法(原著第9版). 協同医書出版社, 2015.

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2021年5月27日

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