環椎(第 1 頸椎)には椎体がありません。
そのことについて疑問に思ったことはありませんか?
環椎には前弓と呼ばれる部分(図 1)がありますが,それは普通の頚椎の椎体(図 2)が細くなったものなのではないでしょうか?
実は,環椎にも椎体があったのですが,発生の途中で分離してしまいます。
そしてなんと,軸椎(第 2 頸椎)につながり,軸椎の歯突起(図 3)となります1)。
ちなみに,「椎体が細くなって前弓になるのでは?」という疑問は,生物学的には自然な発想です。
その前提がないと,分離して別のところにひっつくことの面白さはわかりません。
解剖学の授業を楽しむためのヒントが隠れていそうな気がします。
小ネタでした。
参考文献
1)金子丑之助: 日本人体解剖学上巻(改訂19版). 南山堂, 2002, pp38-42.
2)長島聖司(訳): 分冊 解剖学アトラス I 運動器(第5版). 文光堂, 2002, pp36-39.
2020 年 5 月 22 日
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