解剖生理

環椎の椎体はどこにいった?

投稿日:

環椎は椎体がありません。

そのことについて疑問に思ったことはありませんか?
環椎には前弓と呼ばれる部分(図1)がありますが,それは普通の頚椎の椎体(図2)が細くなったものなのではないでしょうか?

環椎(第1頸椎)
図1
第3〜6頸椎
図2

実は,環椎にも椎体があったのですが,発生の途中で分離してしまいます。
そしてなんと,軸椎につながり,歯突起(図3)となります1)

軸椎(第2頸椎)
図3

ちなみに,「椎体が細くなって前弓になるのでは?」という疑問は,生物学的には自然な発想です。
その前提がないと,分離して別のところにひっつくことの面白さはわかりません。
解剖学の授業を楽しむためのヒントが隠れていそうな気がします。

小ネタでした。

参考文献

1)金子丑之助: 日本人体解剖学上巻(改訂19版). 南山堂, 2002, pp38-42.
2)越智淳三(訳): 解剖学アトラス(第3版). 文光堂, 2001, pp20-21.

2020年5月22日

-解剖生理

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

二重神経支配の筋 覚える意味と全リスト

理学療法士が二重神経支配の筋を覚える意味をまとめています。後半は二重神経支配の筋の全リストです。 覚える意味 二重神経支配の筋とは,複数の神経に支配されている筋のことです。 ある末梢神経が完全に断裂し …

大腿三角と大腿動脈の関係

大腿動脈の触知

大腿動脈の触知について,解剖学的に少しだけ詳しくみていきましょう。 大腿動脈の触知 鼠径溝(下肢と腹部の境界)中央の下肢側で触れます。筋にはおおわれず,皮膚,皮下組織,大腿筋膜におおわれるだけで,太い …

腕神経叢の模式図

腕神経叢の要点を正攻法で覚える

腕神経叢の重要なところを覚える方法です。語呂合わせとかではなく解剖学的な位置関係を踏まえた正攻法です。 図1を見ながらお読みください。 図1 神経幹 C5〜Th1から始まり,上・中・下神経幹の3幹に分 …

腎臓と骨格の関係(背面)

腎臓とは(最初に覚えること)

腎臓について,まず最初に覚えるべきことをまとめていきます。 腎臓の位置 図1は腎臓と骨格の関係を背面からみた図です。 図1 第12肋骨が腎臓の上 1/3 と中 1/3 の境界を斜めに走ります。 腎臓の …

心臓が矢状面上を水平軸で後方に回旋している図

心臓の傾き(回転)を図解

心臓の位置を勉強するときには,まずは心臓の傾き(回転)を理解する必要があります。 この記事では,内容を心臓の傾き(回転)に絞って,図で説明したいと思います。 心臓の縦軸は右上後方から左下前方に走ります …