心臓の位置を勉強するときには,まずは心臓の傾き(回転)を理解する必要があります。
この記事では,内容を心臓の傾き(回転)に絞って,図で説明したいと思います。
心臓の縦軸は右上後方から左下前方に走ります。
そして,左に回旋しています。
この説明では,ちょっとイメージしづらいので,図を描いて,それを回してみましょう。
心臓の正面
まずは,心臓の断面(前額断)を正面から見ます(図1)。

模式図で,血管は描いていませんし,形も正確ではありません。
さて,心臓の正面はどこかなんて,決まりがあるわけではなさそうです。
ここでは,心房,心室が均等に見える方向が正面だとしています。
右に傾く
心臓は右に傾いています(図2)。
別の言い方をすると,前額面上を矢状軸で右に回転しています。

左に回旋
そして,左を向きます(図3)。
水平面上を垂直軸で左に回旋です。

後ろに傾く
さらに,後ろに傾きます(図4)。
矢状面上を水平軸で後方に回旋します。

以上,3つの動きの組み合わせになります。
このような傾きの結果,右心室がもっとも前(前胸壁側)になります。
また,心尖も前胸壁側にあります。
左心房はもっとも深くにあり,食道と胸大動脈のすぐ前に位置することになります。
おわりに
心臓が回転する図を描いてみましたが,参考にした教科書の図があるわけではなく,模型等をスケッチしたわけでもなく,パソコンのマウスなんかを見ながら想像して描きました。
不正確で,立体の回転をイメージすることが得意な方からしたら,「気持ち悪い」図になっているかもしれません。
ただ,そういう図の不正確さがわかる方はこの記事は読まないでしょうね(笑)。
参考文献
1)金子丑之助: 日本人体解剖学下巻(改訂19版). 南山堂, 2008, pp14.
2)越智淳三(訳): 解剖学アトラス(第3版). 文光堂, 2001, pp214-227.
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